新型コロナウィルスが五類に移行になった影響もあり、私はまた世界を見たいと強く願うようになった。
現在の仕事は新卒時に入社した企業よりずっと収入が減ってしまい、次にいつ海外に行けるか全く不透明だ。
それでも今の仕事を続けながら夢を追いたい。
私の性格上、仕事を仕事と割り切るのはかなり難しいかもしれない。
前職が前職だけに、本来私が望んでいた業界に就職するのは、年齢の関係もあり限りなく不可能だ。
それでも何か方法を考えなければ。私の目があの時作られた自分の本当の心の中と世界に向けられている限り、必ず道は開けるはずだ。
中学三年生の旅は、思い出作りのための卒業旅行とは全く違う。
新しい世界を見る過程で、自分の知らなかった価値観に気付き、何より自分の心と向かい合う旅だった。
当時友達が一人もいなかった私だからこそ、ただの思い出にはしたくないという感情が芽生えたのだと思う。
そんな旅は、両親の支え、祖母、Iさん、そしてツアーで一緒に喜びを分かち合った方々の存在なしには成り立たなかった。
私のあの旅に関わった全ての皆様、沢山迷惑をかけてごめんなさい。
そして、人生の最も大切な時間を長らく忘れてしまってごめんなさい。
私は、もう自分の気持ちに嘘はつきません。
これから訪れる試練に覚悟を持って立ち向かう勇気がようやく出てきました。
私は弱いから、立ち止まったり思い悩んだりすることは一生避けられないかもしれません。
それでも何かあったらあの旅を思い出して、自分を奮い立たせたいと思っています。
【前回の記事を読む】「本当の一人ぼっち」を感じた恐怖で、頭が真っ白になった。「一人にさせてほしい」と言ったことには後悔していないけれど…
本連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。