第一章 「刑務所が足りない!」

すると「君の言う通りだ。足りなかったなら造ればいいんだ。こんな簡単な事に何故今まで気づかなかったんだろうと思ったよ。

我々も捜査機関の皆さんが地を這う様な地道な捜査をして送検した案件を、机上でこっちの都合に合わせて姑息な訴因変更なんかして、しかも報道にある様に『訴因変更の理由は明かされなかった』『不起訴の理由は明かされなかった』で、済ませる事に正直私は良心の呵責に苛まれていた。

それが少しでも起訴すべきものを心置きなく起訴できる様になるのなら私にできる事は何でもするよ」と言ってくれた。

「三人寄れば文殊の知恵というから私達三人で法務行政に関心のない政治家に代わって、法務改革をやらない?

刑務官の処遇改善と任期制の導入、収容者への就労支援としての一次産業への職業訓練、シングルマザーの貧困対策としての女性刑務官への道の開拓、この女性問題には私が責任を持って取り組むわ」と言うと須崎が

「私は刑務官の処遇改善と任期制の導入を、自衛隊をお手本にして練り上げてみます」と言ってくれた。

これを受け「俺は、受刑者の一次産業への就労支援を担当すればいいんだな」と団が言ってくれた。

こうして三人が出会ったことで、F刑務所を高値で売り飛ばし、それを財源に限界集落になりそうな離島に一万二、〇〇〇人~一万五、〇〇〇人を収容できるメガ刑務所を建設し、併せて離島へ勤務するという事で刑務官の衣食住を無償化し、待遇改善に取り組むという極秘プロジェクトが産声を上げるのであった。