3 将来役立つ基礎医学
① 基礎医学の授業
当時は幸い厳しい出席評価もなく、聴きたい講義を中心に、気軽に受講していました。ただし試験では講義をしていなくても、その分野全体から出題されていました。合格率も低く、追試などもあり、皆真剣に勉強していました。
どんなに最先端の講義をされていても、最後は学ぶべき必要な内容は、各自しっかり学習せよ、とのメッセージだったのでしょう。一般に基礎医学の試験は厳しい、と言われていました。
このような魅力あふれ、話題性のある講義などを聴いて、将来その道を歩むようになった、基礎医学研究者も多いと聞いています。大学の先生は、将来研究者を育てたいとの思いもあって、魅力的な講義を精力的に実践しておられたのでしょう。大学の教育・研究者の鏡のような存在でした。
その後大学教員となることができた私も、時折この講義方法を参考に実践しています。すなわち臨床講義でも最新の話題をふんだんに加えて、魅力ある教育を学生に付与するように努めています。