布団をたたんだり広げたり下に落としたり、枕を落としたりお尻に敷いてあるバスタオルを外して下に放り投げたり、全くよく動く。その時は一向に疲れないらしいが、翌朝肩にこたえるのだ。正気だったら肩どころか全身痛だろう。

レントゲンでは異常はないが日中は肩痛でお茶碗も持てないし、車椅子への移動もトイレへの移動も自力では出来ないほどだ。それが夜になるとどうしてせわしく動けるのか不思議でならない。

あまり動くので私も頭にきてせわしく動く手を握り、「このせわしない悪い手、自分で叩いときなさい」と言うと、自分の手をパンパンと叩く。またある夜は、「この悪い手縛ってもいい?」と聞くと、縛ってと手を出す。ところが縛った途端、すぐ解きにかかりその都度駄目だった。その集中力やすごいものがある。

多分、子供の頃は少しもじっとしていないやんちゃな子だったのだろう。でもきっと言うことはきかないが気の可愛らしい子だったに違いない。息子の二、三歳の頃を思い出し、何だかいじらしく思え、怒りが萎えることもしばしばだった。

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次回更新は7月22日(月)、14時の予定です。

 

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