第一章 嫁姑奮戦記
おばあちゃんの心のつぶやき
「もう退院してもいい状態と部長先生に言われたよ。良かったね。これからは杖のリハビリと、家にまだベッド来てへんから畳から起き上がる練習やら、せないかんね」と嫁に言われる。
杖の練習は相変わらずで、杖、杖と注意される。ちゃんとついているのに。
「せっかく退院許可が出たのに杖を使わんでこけて、また骨折したら大変でしょ」と言われる。寝転んで起き上がる練習も始めた。こんなことくらい今まで何ぼでもやってきたので、「こんなこと練習せんかて出来るわ」と言ってやろうとするが、どうもうまくいかない。
「今まで出来ていたのにどうしてやろ」と言うと、「骨折して出来にくくなってるのよ。ここはベッドやから問題ないけど、家のほうはベッドが来るまで当分お布団やから、ちゃんと練習しとかんと」と嫁に言われる。
今日はおむつを汚して公ちゃんに迷惑かけた。トイレに連れて行ってもろた時にはもう間に合わんかった。こんなこと初めてや。悪いなあ。
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