第一章 嫁姑奮戦記
おばあちゃんの心のつぶやき
今日はどうやら胃の手術らしい。どうもないのに何で手術なんかするんやろう。
嫁に、「公ちゃん。うち、胃どうもないさかい、今日の手術止めとくわ。先生にそないに言うてくれへんか」と言うと「おばあちゃん手術なんかせえへんよ。胃カメラ呑むだけよ。今までなんべんもやっているでしょう」と言うではないか。
なんや、そうやったんか。心配で心配でたまらんかったのに。
そやけどうちもアホになったもんや。車椅子の動かし方なんぼ教えてもろても分からへん。自分でも嫌になる。自分で動かしてごらんと言われても無理。
歩くほうがよっぽど楽やわと思ったので、「うち歩いてトイレ行くわ」と言うと、「まだ杖もよう使わんのにちょっと無理違うかな」と言われる。そういえば杖の難しいこと。
リハビリで練習してもすぐ放してしまい倒れそうになる。「これが出来ないと家に帰れないね」と言われるが、自分でも知らんうちに放してしまうので困る。