「全くろくなことしないんだから」と言って昨晩孫が看てくれていた時、点滴を抜いて大騒ぎになったと言う。全く身に覚えがないので、「え、うちそんなことしたん? 全然覚えてへんわ。まあこにえらい目に遭わせたんやなあ」と言う。孫や看護婦さんには気の毒した。
「ほら、そんなこと言いながらまた手を動かす。今調べているところやからじっとして!」
何を調べているのか知らんけど、とにかく脚は動けへんし、鼻もおでこも気色悪。どうにかならへんかな。
血液が少なめで酸素不足になると、脳のダメージが強くなるからとの説明があり、結局、術後輸血することになる。本人はいたって元気で術後とも思えない。
点滴する手は動かすし酸素は抜くし額のガーゼは取るし、やりたい放題だ。私のほうは目と手が離せない。点滴の腕は二重、三重に防御してあるものの指先に酸素モニターのクリップが挟んであるのでしっかり握っていなければならない。
私も馬鹿力には自信があるが、彼女にはかなわない。すごい力で私の手から自分の手を引き抜き、あっという間に酸素を外しモニターのクリップも外してしまう。
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次回更新は7月17日(水)、20時の予定です。
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