このごろはひところよりぐっと痩せてきて、顔が光の陰になどなると青白く見えて、びっくりすることが私も一度ならずもありました。

「ありがとう、心配していただいて。何があっても家族が全責任を持つから心配しないでね。それにこのオトン、このごろよく寝るのよ。きっとよく育つと思うは。いろいろとご心配をおかけしてすみません」

と娘が言うと、ニコニコ顔で、緊張が解けて安心しきったベテランのヘルパーさんの顔に戻ったと言うのです。

私もこの話を娘から聞き、陰ながら(心配をかけてごめんなさいね。あなたのその心からの心配は、あなたが夫を一生懸命見つめてくださっているからなのよ。本当にありがとう)と心の中でお礼を言っていました。

「カニューレが抜けちゃったの」

私はなんとなく枕元に気配を感じて、目を覚ましました。そこには娘が無言のままぺタリと床に座り込んでいました。

私はいつもの癖で時計に目をやりました。

午前二時十五分、真夜中です。「一体こんな時間にどうしたというの」と出かかった言葉を思わず飲み込みました。

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次回更新は8月23日、11時の予定です。

 

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