第2章

民主主義国家イスラエルに存在する社会主義的生活共同体キブツで働く

数か月後、私はキブツの本部に言われた通り、ニル・エリヤフを後にして、アッシュドット・ヤコヴ・イフドに移動することになった。

折角なので途中、エルサレム、死海、マサダの観光もかねた。移動手段は、もちろん一番安あがりのローカルバス。

当時のイスラエルのローカルバスは、普通の大型トラックに屋根を付けて、乗客用の硬いプラスチックの座席を取り付けたようなもので、砂漠の中に敷かれた道路を砂煙をあげながら走った。

ここで一つ気になったのは、私が乗ったどのバスにも運転席の脇に機関銃が置いてあったことだ。有事の際に備えてのことであろう。

エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地。この街の見どころは、ユダヤ教の「嘆きの壁」(ここでは、黒装束で、⾧く伸ばしたもみあげをカールした超正統派ユダヤ教徒達が壁に向かって祈りを捧げているのが見られる)、キリスト教の「聖墳墓教会」(イエス・キリストが十字架にかけられて処刑された場所に建てられた教会)とイスラム教の「岩のドーム」(このドームが建つ地はイスラム教の預言者モハマッドが天に召された場所)などがある。

死海は塩湖とも呼ばれ、イスラエルとヨルダンの間に位置する。この湖は極度に高度の塩分含有率がある為、誰でも水面に浮かぶことができる。

マサダは、死海を臨む古代の要塞都市。ローマ軍に追い詰められ残されたユダヤ人が籠城した最後の砦。

1970年代のマサダ (絵葉書)