台所には前日のお茶が湯呑みの底で乾いている。シンクの下の生ごみが捨てられていないので臭い。やれやれ……疲れがどっと押し寄せてきた。今朝まではハッピーな気分だったのに急に落ちていった。夫に文句を言いたいのをぐっと我慢しながら、お土産を渡す。
「おかげさまで楽しかったよ、ありがとう」と御礼を言った。夫は表情を変えることなく「ああ、よかったね」と言った。
急いで台所の掃除をして、洗濯物を干し直して、買い物に行く。スーパーの食品売り場をぐるぐる回りながら、冷蔵品の食品の前に行くと体が冷えて、ぎゅっとお腹が締めつけられるように痛む。
また足元がすくわれるような感覚。カートをお店の隅に放り出してトイレに飛び込むとまた動けなくなった。
しばらくして回復してきたので、再び買い物をするが何も買いたいものがない。野菜を買ってサラダだけ作って、あとは北海道で買ってきたレトルトのスープカレーを夕食に出すことにした。
ふらふらしながら家に戻ると倒れ込んだ。しかし、勝手に遊びに行っておいて疲れたとは言えない。無理して立ち上がり食事を準備し、夕食が終わると今度は寒気がしてきた。夜になって熱を測ると三十七度八分もあった。仕方なくふとんにもぐり込んでひたすら眠った。
熱にうなされながら、キラキラしたステージの夢を見た。
【前回の記事を読む】人前で大声で騒ぐなんてはしたないと思っていた「お嬢様」の崩壊!!キャーキャー叫びながらペンライトを振り続け…
次回更新は6月28日(金)、21時の予定です。