これに団が呼応して

「そうだ! そこまで考えなかった。正に盲点だ。刑務官が集まらなかったなら用をなさない。残念だがボツだ」と桜田のアイディアを否定した。それに対して

「それなら、刑務官の処遇を大改革してはいかがですか? 自衛隊の様に任期制を導入して二年期、三年期と期間を区切った採用形態を導入し、希望者には任期延長を認め、期間終了時には一〇〇万円の退職金を支給する。離島勤務期間中の衣食住を無償で提供する等を柱とした処遇の改善です」

と桜田が自衛隊の任期制を導入する事で人手の確保はできると主張した。これを聞いた須崎が

「なるほどそれなら求人は確保できそうだ。任期制かー。今まで考えてもみなかった。そんな働き方改革があってもいいかも?」

と須崎が桜田の任期制と処遇改善に賛同した。

すると桜田が団に向かって

「はぐれ者でコミュニケーション能力の低い人達ならこの国が直面している人手不足で後継者不足に悩む一次産業の担い手となってもらってはいかがでしょう? 離島なら農業指導も漁業指導にも打ってつけでしょう?」と言うと

「なるほど! それはいいアイディアだ。農業も漁業も仕事としてはコミュニケーション能力を必要としないし、そういう人材が求められるなら彼らの承認欲求も満たされる事請け合いだ」と桜田の提案に大賛成した。