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お父さんの手紙
その日は、朝からずっと雨だった。
昼休みになっても雨はやまず、外に出られない子供たちは教室に残って、友達とのお喋りを楽しんでいた。
「美春先生、この花瓶キレイ」
「教壇に飾ってって、先生のお友達がくれたのよ」
「うそ! 彼氏でしょう。先生、結婚するの?」
「えー、先生、結婚するの? いつ?」
女子たちが、美春先生の机に集まって何やら騒いでいる。
「さぁさぁ掃除当番、早いところ仕事してー。先生、プリントのコピー取りに職員室に行ってくるから、班長、終わったら呼びにきてね」
はぁい、という掃除当番の返事を合図に、皆ばたばたと机を片付けて教室を出始めた。掃除が終わるまでは、邪魔になるので教室から出なくてはならないからだ。
つまらないなぁ、そう思った僕は、
「体育館でドッジボールしようよ。来たい人は集まってくださーい」
そう大きな声で皆に呼びかけた。
思ったよりもたくさん集まって、さあ行こうとした時、
「うるさいぞ、チビ! お前、生意気なんだよ!」
だいちゃんだった。
しん、とまわりが静まった。
「だいちゃんも、一緒に遊ぼうよ」