第1章 入居者と暮らしを創る30のエピソード

16日目  運営の中身を見ていますか

介護保険制度が始まって早、20年以上が経過しました。一言で老人ホームといっても様々な類型がありますね。そしてその老人ホームの建物の構造も軽量鉄骨造から鉄筋コンクリート造に至るまで、様々な構造があります。

もちろん自分にお金がいくらでもあるのであれば、それこそ「新しくて、きれいで、豪華な施設」を選びますかね。

さて、この本を手に取られた皆さんも、一生懸命に情報収集し、気になった施設見学をした中で、ご予算に合った施設を選択される方が多いのではないでしょうか。

さて、ここで視点を切り替え、「事業者側」から見てみましょう。

前述の通り、老人ホームには様々な類型、建物の構造があります。極端ではありますが「カネさえあれば、どんな豪華な施設を建てることができる」のです。そもそも、この本をお読みの皆さんは何のために老人ホームを探しているのでしょうか。

自宅ではひとりで生活することが不安、もしくは生活することが難しいからこそ老人ホームを探しているのではないでしょうか。

そうであれば、建物の構造や豪華さより「介護の安心、運営の質」が優先されるのが本質ではないでしょうか。

「病院から早く退院して欲しい」「ひとりで生活するのは難しい」等々の理由から、老人ホームをご家族が一生懸命探していると、施設選びについて、ついつい物事の本質から外れてしまうことが多いものです。

しかし前述の通り、老人ホーム選びにあたり重要視すべき視点は「介護の安心、運営の質」なのです。

では、この「介護の安心、運営の質」とは一体何でしょうか。

施設見学に訪れてみて、施設の入口に入っての施設の雰囲気やスタッフの応対をどのように感じられましたか。いわゆる「ファースト・インプレッション」というのは非常に重要なのです。

その時の対応にあなたはどのような印象を持ちましたか。簡単にこのようなことを言っていますが、大切な視点であると私は思っています。

では、なぜそのような視点が大切になるのでしょうか。

・親が自立して生活することが困難となり老人ホームを探している。

・親が病気で入院し、退院後の受け入れ可能な老人ホームを探している。