人口の都市集中が起こると、サービス業、小売業、外食産業などのサービス労働の需要が増大します。農林水産業や工業などの基幹産業からすると周辺的な産業でありますが、都市はサービス産業を膨大に必要としていきます。パートやアルバイトの仕事が増えます。

当初パートやアルバイトは主婦や学生のするもので、扶養範囲内(年間の収入が130万円以下が目安)が基本でした。それだけで生活していこうという人はほぼいませんでした。

ところが高度経済成長の夢を打ち砕くようにバブル崩壊、リーマンショック、それに続く経済の変化が襲います。若者も就職氷河期などと言われ、大学は出たものの就職できない事態を生んでいきました。これまでの働き方、雇用のあり方が揺らぎ始めます。

生活給―終身雇用のモデルも限界を見せ始めました。すでに核家族、単身世帯の増加は始まっており、一人の男性労働者が妻子や老親を養うようなモデルですべてをくくれなくなっていました。

そして会社も大変になると労働者のコストを下げようとするので、中高年に今までと同じように高い給与を払うのはどうだろうと能力主義などを取り入れる動きにもなりました。

資本主義が軋(きし)んできても根強い正社員信仰

そして現代に至り多くの軋みを呈しながら今なお変化しつつありますが、大雑把に2点だけ触れさせていただくと、ひとつは大きな経済の問題があります。

資本主義経済はこれまでのように成長せず、持続可能な成長、すなわちわずかでも成長することを掲げなければならなくなりました。SDGsや脱成長など、資本主義経済について修正が必要であることは時代の趨(すう)勢です。

確かにもう高度経済成長は来ないし、今までのように儲からないことはたぶん誰もが気づいていると思います。しかしこれまでのように儲けようという姿勢からはあまり変化はありません。

働き方改革のように労働者を少なくして効率よく働いてもらおうという楽観的な考えもありましたが、そううまくも行かない。むしろ少ない労働者の労働が過重になる傾向にあります。

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