夫を失った咲織さんに挨拶を済ませると、友人として弔辞を述べることになっていた。葬儀会社の担当者から葬儀用の花飾りを渡された。そして、花飾りを胸に付けて参列席の前の方に案内されて着席した。
祭壇の前には、元和二年に創立された、青梅八福神の達磨寺の僧侶である導師が入場して祭壇の前に座り、般若心経を唱え始めた。
「仏説摩訶般若波羅蜜多心経(ぶっせつまかはんにゃはらみったしんぎょう)・観自在菩薩(かんじざいぼさつ)・行深般若波羅蜜多時(ぎょうじんはんにゃはらみったじ)・照見五蘊皆空(しょうけんごうんかいくう)・度一切苦厄(どいっさいくやく)・舎利子(しゃりし)・色不異空(しきふいくう)・空不異色(くうふいしき)・色即是空(しきそくぜくう)・空即是色(くうそくぜしき)・受想行識 (じゅそうぎょうしき)・亦復如是(やくぶにょぜ)・舎利子(しゃりし)・是諸法空相(ぜしょほうくうそう)・不生不滅(ふしょうふめつ)・不垢不浄(ふくふじょう)・不増不減(ふぞうふげん)・是故空中(ぜこくうじゅう)・無色無受想行識(むしきむじゅそうぎょうしき)・眼無耳鼻舌身意(むげんにびぜつしんに)・無色聲香味触法(むしきしょうこうみそくほう)・無眼界 (むげんかい)・乃至無意識界(ないしむいしきかい)・無無明(むむみょう)・亦無無明盡(やくむむみょうじん)・乃至無老死(ないしむろうし)・亦無老死盡(やくむろうしじん)・無苦集滅道(むくじゅうめつどう)・無智亦無得(むちやくむとく)・以無所得故(いむしょとくこ)・菩提薩埵(ぼだいさった)・依般若波羅蜜多故(えはんにゃはらみったこ)・心無罣礙(しんむけいげ)・無罣礙故(むけいげこ)・無有恐怖(むうくふ)・遠離一切顛倒夢想(おんりいっさいてんとうむそう)・究竟涅槃(くきょうねはん)・三世諸仏(さんぜしょぶつ)・依般若波羅蜜多故(えはんにゃはらみったこ)・得阿耨多羅三藐三菩提((とくあのくたらさんみゃくさんぼだい)・故知般若波羅蜜多(こちはんにゃはらみった)・是大神呪(ぜだいじんしゅ)・是大明呪 (ぜだいみようしゅ)・是無上呪(ぜむじょうしゅ)・是無等等呪(ぜむとうどうしゅ)・能除一切苦 (のうじょいっさいく)・真実不虚(しんじつふこ)・故説般若波羅蜜多呪(こせつはんにゃはらみったしゅ)・即説呪曰 (そくせつしゅわつ)・諦羯諦羯(ぎゃていぎゃてい)・波羅羯諦(はらぎゃてい)・波羅僧羯諦(はらそうぎゃてい)・菩提薩婆訶(ぼじそわか)・若心経」