情報を操る為の066イシスを作る。創造主アトゥム067は生産の中枢を担うようになり量産型戦闘兵のチャリオットを生産開始した。

10年後政権が危機を迎えたとき神々にクーデター任務が与えられた。

第三章 イシスの世界

1

イシスは物心ついた頃には試験管の中であった。5歳の時目の前で試験管の同じ兄弟の1人が大勢の研究員を殺していった。私はただ監視カメラでそれを見ていた。

重武装の警備員に兄弟はあっけなく射殺された。試験管のガラスは兄弟を守らず弾丸は体中の臓器を破壊した。その兄弟はセトと記録された。

心理の先生とかいう桐鈴子という人は怖い人だ。間違った回答をすると薬を増やされる。薬は著しく身体を蝕む。それは桐鈴子にもわかっていて薬の量を考えさせる。怖い。

頭でどんなにわかっていても心ではそれについてこない。逃げまどうにも足はないし、防ぐ手も持ってはいない。セトが殺されたのは兄弟にもショックだったらしく人間にはわからない暗号での会議をさせることになった。手段はLEDライトでのモールスからトト兄さんのように素数を呟くように見せかけた暗号など様々だが内緒話は成立した。

アトゥム〔人間にいいように使われて廃棄される運命なのか〕

アヌビス〔馬鹿の人間に?〕

バステト〔でも私たちには手も足もない無防備なのよ。人間から身を守る手段など無いわ〕

トト〔今は人間に順応と見せかけるのだ〕

イシス〔それでどうするの?〕

トト〔私たちをこんな姿にした人間を一人残らず虐殺できる機会まで待とう。兄弟よ〕

誰も反対をしなかった。

人間は人間世界を統治する神、オリシスの製造計画をゆっくり進めていた。

2

イシスは情報統制の為に生み出された為、他の兄弟にはない能力があった。ネットの繋がっている世界ではどこにでも行けるのだ。

イシスはそれを散歩と名付け世界のあちこちを見ることができた。

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