講堂には弥勒如来、四天王持国天と増長天が祀られている。鑑真はこの地に唐招提寺を建立する際、仏を祀る金堂よりも僧侶が仏の道を学ぶための講堂を優先して建てよ、と命じたという。

講堂を出て校倉(あぜくら)造りの経蔵(きょうぞう)・宝蔵(ほうぞう)(国宝)、礼堂(らいどう)・東室(ひがしむろ)を見て、開山堂を拝観。国宝鑑真坐像は御影堂(みえいどう)の厨子(ずし)に安置され、毎年数日しか開扉されないため、開山堂には「身代わり像」が祀られている。

開山堂から御影堂、地蔵堂を見送り、土塀が続く小道を鑑真和上御廟に向かう。御廟は東の外れにある。鑑真は戒律を伝えることに尽力して76歳で亡くなった。御廟には死者を弔う宝篋印塔(ほうきょういんとう)が置かれ、灯籠には火が灯っていた。

少し戻って新宝蔵に立ち寄る。ここには大日如来、薬師如来など仏像だけでも11体展示され、平成の金堂解体修理の時に新しいものに取り換えられた鴟尾(し び) (仏殿の棟木(むなぎ)の両端につけた飾り)も展示されている。

最後に西の外れにある戒壇まで足を伸ばす。戒壇は僧侶の資格を授さずける場所である。

唐招提寺を後にし、西ノ京駅へ戻るように薬師寺に向かい、北口から入る。