ところが……。受験準備のスタートがなにぶん遅かったせいだろうか、定期テストの成績は毎回ほぼ最下位。確かに入塾時には担当者から、「この時期から受験準備を始める子はまずいない」「高望みはしないように」という、あきらめに近いようなニュアンスの発言、アドバイスはされていた。

この時ふと、小学校の担任の遠藤先生に相談することを思いつく。ただ、私は優等生とは真逆の、どちらかと言えばむしろ問題児。悪さをしては厳しい遠藤先生に怒られること度々。げんこつを食らったり、さらにはいたずらが行き過ぎて、反省文を書かされたこともある。

厳しい先生の怒った顔が脳裏に浮かぶ。先生から気に入られるような生徒ではないと自覚していたし、何より近寄りがたく、気軽に相談する雰囲気の先生ではなかった。

そんな状況ではあったが、とはいえ、週末毎の定期テストの結果に打ちのめされ、絶望的な思いが続くと、さすがにこのままではまずいと思い直し、藁をも掴む思いで、思い切って遠藤先生に事情を伝え相談した。

因みにこれまでを振り返ってみると、僕のクラスを担当してくれた担任の先生のキャラクターは、見事に三者三様だった。

1、2年生の時の先生はまさに僕の天敵だった。悪さをする僕は怒られ役として集中砲火を浴び、常に敵対していた。珍しく雪が降った日には、みんなで雪合戦をすることになった時、僕だけは教室に残され課題をやらされた。

〝怒られている〟のではなく、〝意地悪〟をされているような気がして口答えしたり、言われたことをやらなかったり、徹底抗戦した。その戦いの最終章は、2年生の3学期。