・骨盤調整 

骨盤周囲にある硬結点を刺鍼、捻鍼して、吸気抜鍼します。大腸兪と小腸兪と胞肓(ほうこう)等の仙骨周辺の経穴と、秩辺と環跳等の大転子周辺の経穴を中心に触診して、硬結点を探ります。その箇所に、浅刺と深刺を繰り返して「渋り」を感じたらその部位で雀啄(じゃくたく)し寛解させてから、吸気抜鍼します。

骨盤周囲を中心とした腰痛の原因や誘因となっている筋硬結を寛解させたら最終的段階として、骨盤や腰椎の骨格系変位の矯正手技を行います。

頭部や頸部や体幹部や膝や手首等、体のどの部分に異常があっても、直立歩行をする人間にとって、全ての無理を骨盤が支えている結果として、腰痛症が起こるのですから、腰痛症の治療は最終的には、骨盤調整で完成する事となるのです。

言い換えれば、既述した腰痛症治療は全て、骨盤矯正の準備過程としての、内臓疾患・筋膜・靱帯・結合組織の状態改善処置であるとも言えるのです。

私は、五味先生の骨盤調整法を基にした骨盤矯正法をします。

・私の骨盤矯正治療手法 

腹臥位にした患者さんの右側面に位置して、右手拇指腹で、患者さんの腸骨稜を押さえて、左手で患者さんの右足首を膝立てで数回内旋・外旋し、その後、足首を持ったまま、踵を臀部に押しつける。

この時に、踵が着きにくい場合は、左手根部で患者さんの大転子付近を押さえて、右拇指腹で背部諸筋の硬結点を指圧すると(筋肉・筋膜・靱帯を横に切る按摩術)着きにくかった踵が着くようになります。