序節 日本書紀の編年のズレ
第2節 我が国の暦法史概観・元嘉暦概論・儀鳳暦序論・後漢四分暦概論
☆2儀鳳暦序論
従って西暦a年正月中の月齢G(a)は、
G(a)=TG(a)+489428÷1340÷6±(39571÷1340)×r
G(a)=(27+2702÷1340÷6)+(10+1176÷1340)×a±(39571÷1340)×r 故に西暦a年の正月朔の干支指数Ⅰ(a)は、60を法として、
I(a)=S(a)-G(a)
として求められる(旧拙著『日本書紀編年批判試論』の第一章の注2では、西暦a年の前年11月朔の計算にまで迂回しているが誤計算ではない。またそこで正月中を雨水としたが、儀鳳暦では啓蟄であるので訂正する)。
儀鳳暦をこのように平朔法で用いて計算した結果が、前掲の内田正男編著『日本書紀暦日原典』の儀鳳暦欄に掲げられている。
儀鳳暦で定朔を求める手計算については第6節に述べる。