風水家相を取り入れる際にも、同じことが言えるのではないでしょうか。家の間取りは土地の形や道路との関係性から少なからず制限があり、新築の間取りであっても全てを吉の条件にすることは難しいものです。それでもできる範囲の中で、少しでも吉に向けていくことで、良い運気を引き寄せていくことができるのだと信じています。
ご相談者の多くは、家の形が悪い悪いと言われるだけで改善策を教えてもらえなかった、家の凶相がいつまでも気になって気分が落ち込んでしまう、というような悩みをお持ちです。
でも安心してください! 家相は風水の知恵を取り入れることで改善することができます。運気はお住まいから上がる……と言われるほど影響力の強いものです。あなたの家を今からパワースポットに変えていきましょう!
風水と家相の違い
まずは歴史的な背景を知ることが大切です。
風水とはもともと、3000年以上前の中国で都づくりのために考え出された「環境学」です。「大地の気を取り込むことで、万物の生命力が上がり元気になれる」という考え方がその基本にはあります。この「風水」という言葉が歴史上初めて登場するのは、中国の晋の時代(265~420年)です。
郭璞 (かくはく)という文学者・卜者 (ぼくしゃ)の著作『葬経』の中に「気は風によって散じ、水にくぎられれば止まる……故にこれを風水という」と書かれています。そんな風水が日本に渡ってきたのは、飛鳥時代。推古天皇の頃で、その時代の古墳にも風水の思想が取り入れられています。
先に軽く触れましたが、風水の基本は「気」と呼ばれる大地のエネルギーを上手く取り込むことにあります。中国ではこの気の流れを龍脈(りゅうみゃく)と呼びます。気が山脈に沿って流れてくる様子を伝説の龍に例えたものです。また、気の流れが集まるエネルギーの高い場所を龍穴(りゅうけつ)と呼びます。いわゆる「パワースポット」ですね。
人の体で言えば、押すと痛気持ちいいあの「ツボ」にあたります。「ツボ」は、体の中を流れる気が集まる場所で、東洋医学ではこのツボに針や灸をして体の調子を整えます。
同じように風水では、この大地のツボである龍穴に城郭や神社仏閣などを建てることで、国の基盤を整えていきました。
平城京や平安京、大坂城や江戸城など歴代の都はどれも緻密に計算された風水によるものだと言われます。