守母
その瞬間、私は鬼の形相を浮かべて狂ったように、死んでいく男を刺し続けている映像だった。子供たちの目の前で……。
刺されている間男は、子供たちの方を向き「助けて」と言いながら死んだ。その証拠映像が物的証拠となり、私は殺人犯となった。
「聞いてください。あの男は小さい声で言ったんです。半笑いを浮かべて殺すって……。お願いです、信じてください。お願いです……」
だけど、誰も信じてくれなかった。子供たちも……。
私は、自分の子供を殺人犯の子供にしてしまった。でも、悠太と愛莉を助けたかった。
普通に幸せに生活していたのに、たった1人の身勝手な男の行動で何もかも奪われた。
何が正しかったのか?
殺されるか殺すか、どっちが正しかったのか……。