最後に、近藤哲二先生は、
「頑固な肩凝りや腰痛は、消化器にポリープがある場合もあり、胃経と脾経の電位差を整える事によって腰痛は快方に向かう」と、言われています。
胃経や脾経に虚証がある場合には、それを消す事で確かに、腰痛は寛解します。しかし、胃経や脾経の経絡バランスが極端にまでなっていない状態での頑固な腰痛の原因である消化器系のポリープを改善するには、「長野式ポリープ処置」が効果的な治療法です。虚証の有無によって、近藤哲二先生式と長野式を、明確に使い分ける必要があるのです。
6.私の施術法
・ 新経絡治療により、虚証経絡があれば虚証解消処置をして、その後長野式各処置をします。
・全身の免疫力向上処置をします。
元々、自然治癒力が低下した状態が一定期間続いた結果、腰痛の原因・誘因となる内臓機能低下になったのですから、自然治癒力向上の治療を最初に行うべきだからです。鍼灸刺激による生体の反発力を存分に引き出すのに、この作業は必須です。
扁桃七穴への置鍼をした後、腎経を中心に先天の気を、胃経を中心に後天の気を整えます。三陰交と湧泉が前者の、足三里と裏内庭が後者の必須穴です。
・ 自律神経調整 脊柱管に狭窄がある部位には、V字鍼単刺をします。背部兪穴を一側線、二側線ともに、切皮単刺をします。
・ ホルモン調整 肝兪又は胆兪、脾兪又は胃兪、腎兪の所謂「胃の六つ灸穴」と、三焦兪と、三陰交又は復溜の温灸をします。
・胸鎖乳突筋緩解と捻れとりの為に、帯脈処置をします。この帯脈処置は帯脈付近ばかりでなく全身の偏側的な組織硬結を寛解させるための必須処置です。長野先生は患側の硬結寛解処置として帯脈処置をしますが、私は健側からの帯脈処置と同時に患側からの帯脈処置をします。
なぜならば、1箇所に側弯を起こす硬結があれば、その上下・付近の反対方向箇所にも硬結があるはずだから、同時的帯脈処置が必要である、と私は考えているからです。