最終的には、そのマーケットの大半を日本の大手の会社が占めるようになります。こうして、外資系は再び日本の会社と違う何か新しいこと、新しい商品、新しい販売方法を探さなければならないのです。
一方日本の会社の社員は、大手の会社の社員も中小の会社の社員も、同業他社が何をしているか、何をしようとしているかを非常に気にします。
その理由は、ほとんどの会社が似たような商品やサービスを提供しているので、他社の売れ具合がどうなっているか、売上額はどうかなどが非常に気になるのです。自社の増収率が他社に比べて低いときには、社員は、自社の商品の販売価格が高すぎるのか、機能が競争相手のものに劣っているのか、デザインはどうかなどをまず調べます。
すなわち日本の会社の基本的な姿勢は「横並び」です。
他社と違うことではなく同じことをする、他社が新しい商品を開発すれば、自社も似たような商品をできる限り早く開発する、というのが社員の基本的な考え方です。
「横並び」つまり英語でいうミー・トゥー・イズム(Me-tooism)はこの本の別のところでも触れます。
英語ができないと昇進のチャンスはないか
外資系で働いているけれども英語が苦手な人はどうなるのでしょうか。
外資系でも勤務場所が本社以外だったり、会社内でのポジションが下の方の場合、一般的に英語を直接聞いたり話したりする機会はあまりないでしょう。
というのは、外国人マネジメントは本社勤務が普通で、そして中間管理職はたいてい日本人だからです。聞いたり話したりする機会は少ないけれども、本社にいる社員の場合は英語の書類を読む機会はかなりあります。読んで意味を理解して必要な対応をしなければなりません。
日本の会社でいう課長や部長クラスになると、英語で話す機会が増えてきます。なぜなら、外国人マネジメントとコミュニケーションをしなければならない機会が増加するからです。外国人マネジメントから課長に直接電話があったり、メールで問い合わせが来たりすることもあります。また、このクラスになると、話すだけでなく、英語で書類をつくらなければならないケースも出てきます。
一般にオフィサー(Officer)と呼ばれるマネジメント・クラスになるとどうでしょうか。当然ですがこのクラスでは読む、書く、聞く、話すが要求されます。電話会議などにも参加する機会が増えます。
それでは英語ができないと外資系は無理なのでしょうか。
答えは基本的にはそうです。特に将来マネジメントを目指そうとするのであれば、読み書きだけでなく、相手の言うことを聞いて理解できること、こちらの言いたいことを一つひとつ順序立てて話せることは必須でしょう。