この物語では王様がいかさま師に、馬鹿には見えない服を作ることができると言われる。王様の周りの人たちは皆馬鹿だと思われたくないので、美しい服だと褒め称えた。一人の幼い男の子が、他人にどう思われようがかまわなかったので、王様を指さして裸だと言った。
この本を読み続けるなら、あなたは科学は誤った進路を選んだという告発を審理する陪審員に選ばれたことになる。読者は心を開いて、私たちの主張と他の者の言い分を聞くことになる。
私たちは簡単に結論に達したわけではない。読者も簡単には結論できないと思う。でも皆さんと一緒にこの旅を続けたいと思う。
本書を書けるとは私は思っていなかった。語るには大変なほど、多くの事件が起こった。
戦闘の最前線で闘う兵士や警官、消防士に見られる心的外傷後ストレス障害になっているのかと思ったほどだ。これは数少ない勇敢な科学者が、ほとんど限り無い資金を持つ敵と戦う戦闘の物語である。
科学はこの闘いに関わらないかもしれないが、私は闘うつもりだ。私は神に忠実であり、神は人類に苦しむより健康であることを求めていると信じている。
時に私は人によく生きているねと言われることがあるが、「神様にはユーモアのセンスがあるのよ」と答えることにしている。私の運命が結局どうなるか、この世でどう判断されるかは分からない。それはどうでもいいことだ。
でもいつか神の前に立ち、私が神の求めに従順であり、そして貢献したかと聞かれる日が来ると思う。これから書く事柄が最後の審判で全能の神に話す内容である。
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2011年11月9日の午前5時頃、オックスナードのジェームズタウン通りにある船乗り場付きの自宅玄関ドアをドンドンとたたく者がいた。
私はシャワーを浴びていて、夫のデービットは目覚め、私がとなりにいないのに気づき、いつものように仕事に出たと思った。私は仕事を早く始めるのが好きなのだ。
いつもそうだった。デービットは補聴器を付けているが、寝るときは外している。彼はベッドからよろよろと出て、私が浴室にいるとは気づかず、1階に降りていった。玄関にはバッジを付けた男がいて、ジュディ・マイコヴィッツの逮捕状を持ってきたと言った。
「彼女はいません」とデービットはTシャツとパンツ姿で弱々しく答えた。「彼女はとっくに仕事に出ました。多分夜の8時頃帰ってきます。また明日来てもらうか、待っていてください」その男は帰ろうとはせず、車の前で待つことにした。