第二章 招魂と入れ替わり

日曜日だーー朝から全開!!

天気もいいしーー気持ちいいーー

私が上機嫌で伸びをしていると、

「おや、休みの日なのに早いねぇ、朝採りの野菜が美味しそうだから、すぐ御飯だよ」

と裏の畑から戻ってきたお祖母ちゃんが言う。

「私も手伝う!」と嬉しさではち切れそう。

朝食も済ませ後片付けも終わると、やる事がないので、ひとまず神社へ行くことにした。

タマ居るかなぁ? 

そう思いながら行くと、何か困っている様子。

「おぉー、いいところに来た」

「どうしたの? 手伝おうか……」と私。

「薬草は揃えたが煮出すことが俺では出来ない、お前やってくれ。家では臭いがするから、ここに簡易的なコンロと鍋と水を持ってこられないかなぁ?」

「わかった。大きい方がいいよね、待ってて」

家に帰った私はお母さんやお祖母ちゃんに見つからないように気を付けながら、台所からもうあまり使っていないカセットコンロとボンベ、それとザル、お玉、鍋、ペットボトルに入れた水と、後細々した物を袋に入れると急いでタマのところに戻った。

「タマ、これくらいでどぉう?」

私は持って来た物を見せる。

それを見たタマは「お前なかなか使えるな」と嬉しくなる褒め言葉を言う。そしてタマは続けてやり方を説明し出す。

「それじゃ煮出すぞ。鍋に揃えた物と水を全部入れ火に掛け、沸騰したら弱火にして時間を掛けて煮出すから、午後の二時なら丁度いい時間だ……風は無いけど火が消えると何だからよく見ておけ、水を足しながらするんだぞ。後は任せた、俺は寝る」

様子を見ながら煮詰めていくと……

うあぁー何だか凄い臭いがしてきたし、色も泥水っぽいんですけど、これ体に悪いんじゃないのかなぁーと思いながら煮出し続けていたが、お昼ぐらいになったのでタマに後を頼んで一旦家に帰った。私は食事を済ませると急いで出ようとした、そんな私に兄が聞いてきた。

「お前、いやに今日はばたばたしてないか、何かあるのか?」

「何かってなに、気持ちいい日だから山散策を楽しんでいるのよ。こう言う気持ちになる日もあるでしょ」

のんびり屋の兄は自然の物が好きなので、私のデタラメに言った事も、そう言う気持ちはわかるという得心顔になっていた。

そんな兄を残して戻ると、タマと代わり、また鍋の番をする。中の様子を見ると臭いは相変わらず凄いけど、色が怖いくらい濃くなっている、いいのかこんな物、飲ませて? と思い私は聞いてみることにした。

「タマ、いくら何でもこれを飲ますのは体に悪いんじゃないかなぁ」

「飲ますなんて言ったかぁ、こんな物飲んだら命の保証はないとまでは言わないが、調子は悪くなるだろう、これは生石灰を使って魔法陣のようなものを地面に描き、その上に流すのに使うんだ。それも今から教えるからお前描いてくれ」

「魔法陣って何なの!」私は聞いた事のない言葉を耳にして疑問を口にする。

「今それを教える、魔法陣は異世界から悪魔などを召喚するときに使われていたものらしいが、それとは少し似ているが違う」

タマはそう言うと、私に大きな八角形の図を描かせた。そしてその中を直線で色々区切り、漢数字と漢字を書かせた。

「これは九星気学と言い、占いで使う物だ。まあこれを描けば、ほぼ準備は出来た。後はその男が納得して受け入れるかだ」