3 医学部教養で自由な学習を
①医学部ってどんな勉強をするの?
大学での学習は、これまでの高校までの勉学とは大きく異なります。選択科目もいくつかあります。これまでのように教室で学ぶということは少なく、授業内容に基づいて各教室に出向いて授業を受けることになります。そのため自由度が増し、自ら学習する機会が増えます。
また高校の授業では、教員免許を取得した教師が、学習指導要領に基づいて授業を進めていきます。でも大学にはそのような資格をもつ教師はいません。あくまでも大学は、教育の場というよりは、研究機関という位置づけになります。
そのため、授業を行う教員は教師ではなく、教授というのです。教え方も一定の基準があるわけではなく、教授によってかなり自由度の高い授業や実習をします。百名ほどを対象として大講堂で行う講義もあれば、少人数を対象としたセミナー形式のものもあります。また自ら発表する機会の多い授業もあります。
このような自由度の高い授業の中で、自ら学ぶ姿勢を身に付け、必要な単位を取得していきます。もちろん必須となる授業も多く、全員がそれを受講する必要があります。多くの場合、一年あるいは二年間で必須とされる科目を含めて、一定の授業の単位を取得すれば、次の学年に進めます。
大学入学の初年度は、多くの大学で教養学科の授業があります。文字通り教養を身に付ける期間です。従来はこれが二年間あったのですが、最近では後半の臨床実習の割合が増大した結果、種々の専門授業や実習などが前倒しされて、教養の期間がすっかり短くなってしまいました。
でもこの教養での学習は、極めて重要です。というのも、医師となって患者や病院の医療関係者と接する機会が多いです。それだけに医師としての人格形成が、極めて重要です。そのための一般教養を学ぶ大切な期間です。