若い友へ ―感謝―
君は 私自身も気づかず
考えたこともない私を見つけた
批判と称賛の中で
君自身さえ気づかない私を創造してきた
君といる時間は楽しくもあり
「人生のどんでん返し」のようで
心は憤怒し精神は混乱し
認めたくない自己否定の時間でもあった
君が知り合いから友になったのは
両親を送り
大きな家に一人ぽっちになってから
農業以外は村の住人でない
村の半分所で暮らす私に対し
君なりの優しさだったのだろう
確かに
心の憤怒も精神の混乱も山ほどあったが
私の言動への批判の中の誉め言葉
「それがあなたのいいところだ」
「ファーストコンタクトの力もある」
永遠なのか一時的なのかわからないが
納得のいかない別れになったが
この年齢にして
うずもれていた「私」を見つけ
過去と足し算していけるように
なったのは 君のお陰だ
憤怒と混乱を伴いながら
どれほどの力を得ていたのだろう
―感謝―