ところがデュバルは、外れたバーディーパットの球をパターでかき寄せ、再びグリーンの上で練習したのである。これがその規則に抵触したというのである。通常と違いこのw杯には、練習ストローク禁止の特別規則がある。それを知ってか知らないでか、デュバルは禁を犯したのである。この罰則は2打罰で、次の十七番ホールで科せられるため、デュバルは十七番ホールのティーショットを第3打目から打たなければならなかったのである。
それと知らずにアメリカ最強タッグは、十七番ホール、パー3を共に打ち、ウッズは左ラフから寄せた第2打がカップをかすめて1mのオーバー。相方のデュバルは既に1mのバーディーチャンスにつけていたため、それを見たウッズは、自分の残したパーパットのボールを拾い上げようとしたその時、一人の競技委員が血相を変えて駆けつけてきたのである。
二人はキョトンとして、何が何だか解らず、両手を挙げて、ただ「why?」を繰り返すのみだった。幸いにも、この光景を見ていた優しいゴルフの女神は二人を見捨てず、少し時間を与えて微笑んでくれたのである。
事情を知ったウッズは、軽く微笑み返して難なくパーパットを沈めたのである。万一、競技委員の注意が遅れ、二人がそれと知らずにスコアカードを提出していたら、過少申告により失格となるところだった。
初日、結局アメリカは、6アンダーの11位に終わった。
二日目の日本は、九組目で南アフリカとスタート。4バーディー、1ボギーの69で廻り、トップと4打差の通算11アンダーで、2位タイに浮上した。同組の南アフリカは、通算9アンダーの7位だった、
丸山はここ数日、お粥以外まともな食事を摂っておらず、体調不良の極限にあったが、持ち前の気力で跳ね返した。
二日目のトップは、15アンダーのニュージーランドで、チームの一人は日本でもお馴染みのスメイルである。ちなみにアメリカは、68と巻き返し、トップと5打差の通算10アンダーで4位に上がってきたのである。
三日目、愈々後半戦のスタートである。前日2位タイだった日本は、首位のニュージーランドと最終組で廻った。この日は伊澤、丸山両選手の見事な活躍で、1イーグル、6 バーディー、1ボギーの65で廻り、通算18アンダーの3位タイに食い込み、同組首位のニュージーランドとの差は、4ストロークであった。アルゼンチン、フランス、南アフリカも同じく18アンダーでそれぞれ3位につけている。
この日、さすが強豪アメリカは、初日のハプニングをものともせず、10バーディー、1ボギーの63で廻り、通算19アンダーで2位に浮上、3連覇へ向け愈々射程距離に入ってきた。
*EMC EMCコーポレーションで、大会のスポンサー。アメリカのコンピューター関連