⑥今後女性に向いた職業になるか?

医師が果たして女性に向いた職業かどうか、についてはいろいろな考え方があります。以前に比べてより多くの女性医師が、世の中で活躍されているのはご承知のことでしょう。ただかなり過酷な仕事の場面も多いのは事実です。そのような業務に進んで仕事される人はよいでしょう。男女を問わず、仕事量と自分の能力や生活環境を十分考慮して、上手に職業分野を選ぶことをお勧めします。

現在日本の医師の中で女性の占める割合は25%程度です。この割合がこの数年で大きく増加する傾向にあります。他方医師国家試験受験生の中で、女性の占める割合は40%近くに達しています。つい先日の新聞記事によると、2021年の医学部合格者で、女性の占める割合が過半数になった、と報じていました。また合格率も男性より高いようです。(これは現役の女子学生にとっては、浪人を避けたいとの思いが強く、確実に合格できる大学医学部を選択する傾向があるためでしょう。)

これらの点を考慮すると、今後さらに女性医師の割合は増加することが、予想されます。海外に目を向けると、米国では医師全体の中で女性の占める割合が50%を超えたようです。

OECDでも平均40%に達していて、日本はまだまだ女性の割合が少ないことが指摘されています。今後日本でも、欧米並みに増加することが予想されます。

特に皆さんに考えていただきたいのは、果たして医師の仕事は、女性に向いているのでしょうか。医療機関を受診して、医師から丁寧で適切な指導を受ける場合、女性医師の方がきめ細かで、配慮に富む言葉を下さるような気もします。女性患者さんの場合には、特にその印象を強く持たれるのではないでしょうか。

とりわけ産婦人科のように女性を対象とした診療科では、女性医師が好まれることが多いでしょう。それでは第一線病院ではどうでしょう。救急で日夜問わずに働いている医師や、特に一般外科などは業務がハードです。どの程度女性医師が、他の男性医師と同様に業務ができるか、以前より議論されています。

業務によっては多少不安になるケースもあります。でも手術が好きなら麻酔科を選択することもできます。実際、麻酔科での女性の占める割合も多いようです。もちろん外科医を選択して、手術をこなす女性医師も着実に増えています。