惑星キチェケ
地底都市フンハウ
20
起きるが朝というものはない。時間感覚がわからず寝不足のクステリアは大変だ。とはいえほとんどみんな寝不足らしい。ここの住人は好きなときに起きて好きなときに寝る文化らしい。警護の兵士が交代している。
クステリア「アタワルパ。台所に案内してくれないか聞いて」
相手は不思議な顔をしていたが案内してくれた。外敵がいないのだろう。毒殺とか考えていないのだ。かまどがあった。料理ができると思っていたクステリアのようだがかまどは使いこなせない。「料理するから手伝ってと言って」とアタワルパに言う。
料理人が手伝ってくれることになった。
クステリア「食材を見せてと言って」
食材の棚に案内された。人参のようなもの、ジャガイモのようなもの、唐辛子のようなものなどがある。冷蔵庫はない。見た目に合わせて食材を選ぶと「調理のために切りたい」と言い、平たいただの調理台に案内される。まな板の文化はないらしい。包丁も無く、石を尖らせたものが包丁のようだ。
地上で言うところの人参のみじん切りジャガイモを細かく切り唐辛子を薄く輪切りして炒めて水を入れて細切れの干し肉を入れてスープにしたかったが鍋は土鍋だし、油もないので少しの水で熱を通して水を追加して温めなおすことにした。熱の入れ具合で料理人が手伝ったのだが、アタワルパは「料理人が味見したいと言っている」と言うので一皿分を分けて渡す。
アタワルパ「料理人が隠し味が大変美味しいと驚いていると言っている」
21
皇帝は料理を献上したいと聞かされ急いで現れたようだ。寝起きのようだ。昨日のビスケットが美味しかったのだろう。干し肉を入れたポトフはとても気に入られたようだ。これが昨日の干し肉を入れた物だと言えば、皇帝は「この干し肉とやらを植えたら実るのか?」と言っているようで、穏やかな笑いが起きた。「植えても干し肉は実らない」と伝えると、
信介「昔は地上と交流していたようですが今ではもう交流もしていないんですね」
アタワルパ「昔はこちらフンハウの方が技術が優れていたが今は地上は危険だという話だから行っていないんだと言っている」
クステリア「昔は技術あったんですね?」
アタワルパ「精霊を作る技術があって魔法を使えたと言っている」
ワルテル「精霊とはアタワルパですか?」
アタワルパ「ああ、それら精霊だ。今は劣化した技術だよと言っている」
スコット「今、その技術の痕跡はありますか」
アタワルパ「今は砂鉄の砂漠としてしか残っていない。ここには4つの勢力がいてそれぞれの精霊で戦争をした時代があった。戦争の結果ただの荒れ地になった。とてもとても昔の時代だと言っている」
ワルテル(ここで4つの勢力だからインカでは4が神聖な数字で4を中心にした文化なのか?)
スコット「フンハウとはこの勢力の名前ですか?」
アタワルパ「いや、この空間全体でフンハウ。ここはセ・アカトル。平和と豊かの都市は他にコヨルシャウキがある。コアトリクエは遠い昔は技術立国だった今は砂鉄の砂漠……地下にまだ勢力が残っている。ミシュコアトルも荒れ地が多い場所だ」