ごめんなさいの仏様

核家族のわが家は一番先に夫が仏様の

弟子になった

もう三十年近くなるから

弟子の中でも高尚の位になっているかな

現世で生かされている者は

毎日元気であることを報告し

亡き人と会話をするべきだ

そうすべきだが

ほぼ毎日部屋の入り口から

「ご本尊様 脇仏様 夫様

元気で感謝です 忙しいです 

行ってきまーす ごめんなさーい」だ

つらい時は夜中だろうと

一日一回は手を合わせてお願い事をしていた

まさに「苦しいときの仏参り」だ

一番目にご本尊様と脇仏様に

「どうか子を元気にしてやってください」

二番目に「家族を支えるための力を

私にお与えください」とお願いする

三番目に夫様の写真とお位牌に

「あの世からでも家族を守るという役割を果たさな怒るよ」

叱咤激励をする

願いが叶い家族が元気になると

また入り口から

「仏様 今日も感謝です 忙しいです

パワフルに頑張りまーす ごめんなさーい」

身勝手な仏参りだ