エッセイ 小説 詩 2023.03.15 詩集「まかろんのおもちゃ箱」より三編 まかろんのおもちゃ箱 【第6回】 まかろん キラキラとかがやく言葉の世界にようこそ! この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 季節の移り変わりや自然の美しさ、命のきらめき、日常で起こる不思議な出会い......。前向きに生きていくために、そっと背中をおしてくれる言葉たちがここにある! 心がおどる幻想的な世界がつめこまれた、全38編からなる詩集。※本記事は、まかろん氏の書籍『まかろんのおもちゃ箱』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。 【ぎらぎら太陽の季節】に送る詩 「夏の夜に」 暗闇の中 遠くに聞こえる電車の音 我が思いを乗せてゆけ 星屑を撒き散らし 子狐座と踊り回り アンタレスの灯の下 星の雫で乾杯する 子守歌のように電車は行く ガタンゴトンと
小説 『「本当の自分」殺人事件[注目連載ピックアップ]』 【第9回】 水木 三甫 硬直する体に構わず、若い桃のような頬に唇を当てる。首筋からさらに下へ、新鮮な匂い。しがみついていた力は抜け… 【前回の記事を読む】「好きな店でいいよ」と絶対に言わない。行く店は決めてくれるし、選ぶ店のセンスもいい。浮き彫りになる、夫の物足りなさ。高校を卒業すると、希代美はすぐに故郷を捨てた。都内の小さな問屋にどうにか事務職を得た。希代美は一生懸命働いた。会社とアパートを行き来するだけの生活。とにかくお金を貯めたかった。一人で生きていくためにはお金を貯めなければいけないという強迫観念があった。預金通帳の残…
小説 『夫 失格[注目連載ピックアップ]』 【第5回】 時亘 一肇 テレビを消して黙々と食事する夫。食事が済んだら「俺は犬か! 俺はゴミか!」と、また急に訳の分からないことを怒鳴り始めた 【前回記事を読む】逆ギレ浮気夫に「いっそのこと、そのお相手に代わってもらいたい。私を自由にしてほしい」と打ち明けた。すると夫は一言…昨夜、寝室から布団を運び出そうとした時、夫が「上で寝ないのか?」と言ったので、黙って夫の顔を見返すと、「すみません」と。今は静かに言ってくれているが、一つスイッチが入れば、間違いなく、舌打ちしたり、怒鳴り散らしたり……ということになる。それを思うと、(やっぱり戻った…