【前回の記事を読む】私立の高校が乱立…しかし実際は公立の方がレベルが高い⁉
第2章 対策1 学校教育に対する処方箋
学校教育の改善点に入る前に、現在の日本の社会または企業内における現状と問題点を述べたい。何故ならこれを観察する事で、日本の教育の問題点が浮き彫りになるからである。
自分が長年接してきたIT&業務コンサルティング業界において、近年外国人の比率が大変高くなってきている。特に外資系のコンサルティング会社において、外国人の比率が高くなってきており、主にインド人、そして特に中国人が多く居る。
外国人が多くなっている理由に、日本人のコンサル志望者が少ない事もあるが、そもそも日本人のコンサルタントのレベルが低い事が要因でもある。
残業は当たり前で、徹夜する事もある業界である。そして激務から病気になって辞めていく人も居る業界なので、もしかしたらコンサルティング業界は日本の若者にとっては魅力的な職種ではないのかもしれない。但し、給料は決して悪くないので、外国人にとっては至って魅力的な職業ではある。
このコンサルティング業界であっても、英語が不得意な日本人はゴロゴロ居る。一方インド人は勿論英語が堪能であるし、中国人の場合は3か国語を話せる。そして彼らは自ら勉強し、考える能力を持ち合わせている。中国人やインド人を一度見てしまうと、採用する側にとって日本人は見劣りしてしまう。だから政府は企業の求めから高度外国人材の入国を緩くしている現状がある。
この様な高度技能者の人材不足はコンサルティング業界のみで起こっているのではなく、ありとあらゆる業界で発生しており、マーケティングや営業職でも同じである。コンサルティング会社、特に外資系では、社員教育の仕方が日本の企業とは随分違う。
日本の大企業では教育プログラムが充実しており、時間を掛けて手取り足取りの教育が行われる。昔は新人研修に1年以上掛ける企業もあった程で、OJT等の活動でも上長が手厚い指導をしていた。少なくとも90年代まではそうだった。
一方外資系の企業では自ら学ぶ意思が必要で、そして自ら勉強してレベルアップしていかなければ企業から排除されてしまう。日本では昔から「技術は盗むもの」と云われてきたが、それができた人はごく一部で、殆どの人は教えないと伸びない。一方欧米では、技術は盗むものと云うよりは、「自ら学ぶもの」の様な感じがする。