次にこのコンサルティング業界に近い業種であるIT業界を見てみよう。一般的にITベンダと云われる日本のIT企業の給料は決して高くはない。しかしこちらの仕事もキツく、残業は当たり前の世界である。
仕事の関係でこれらITベンダの人達とお付き合いする事があるが、残念ながら云われた事だけを実行する技術者(SE/PE)が多い感じがする。コンピュータ技術者として極めるのであれば良いが、云われた事しか実現できない様では困る。
そしてこの様な人達は、残念ながら収入が良いコンサルタントにはなれない。何故なら、自分で考え、分析し、解決策を考えられる事がコンサルタントとして必要な能力だからである。但しコンサルタントの中で、自分で考え、分析し、解決策を考えられる人材は決して多くない事も付け加えておきたい。
この様にコンサルティング及びIT業界を見ると、日本の教育システムが必要とする人材を供給していないと云える。
少なくとも世界で活躍できる人材が決定的に不足している。この問題点を解決するために、二つの目標を提示したい。
一つは世界で活躍できる人材を沢山育てる事。もう一つは落ちこぼれを削減する事だ。但し海外の真似をするのではなく、日本独自の教育方法を模索する必要がある。日本には世界に誇れる文化、そして考え方がある。それを無くす様な教育を施してはならない。日本の良さを残しながら、世界にも対応できる人材の育成と、底上げが必要なのである。
因みに、日本のIT業界の単価(給料)がここ30年程殆ど上がっていない。そのため、最近は中国から注文を受ける場合も出てきている始末である。昔は日本から中国に発注していたが、IT領域の一部では、日本の方の単価が安くなっている。
IT業界はグローバルな業界なので、海外では人件費がドンドン上昇しているが、日本では停滞しているママである。そして当然の様に、コンサル業界も同じである。日本の中では比較的高い単価ではあるが、海外との比較では安いのが現状である。そして優秀な人材は世界で活動している。