【前回の記事を読む】車好きの悲しい予想『自動運転の時代では「運転を楽しむ」が死語になる』
1973 青山ココパームス
【カリーナハードトップ1600SR】
昭和48年当時は、私も友人も同じ5速マニュアルのカリーナハードトップに乗っていた。私のクルマは1600SRというカローラレビンのテーマカラーであったモスグリーンのクルマで、友人のクルマは1600STという、エンジンは私のと同じだが、ラジオもオプションだったSRに比べ豪華装備のグレードであった。
おそらく今の人たちは聞いたこともないと思うが、エンジンは1600㏄のOHV(オーバーヘッドヴァルブ)であった。OHV? 現在では燃焼効率が考慮されて商用車にまでDOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト)のエンジンになる時代にOHVといわれても何のことかわからないであろう。
私はメカについてはあまり詳しくないが、OHVというと、まず思い浮かぶのがアメ車である。あのドロドロドロ(コケコッコーではないが、国によって音の聞こえ方は様々なので、8気筒のOHVのアメ車の排気音がアメリカ人にどのように聞こえていたのかはわからないが私にはドロドロドロと聞こえた)という、えげつない大排気量のエンジンの排気音はOHVのエンジンのものであった。
OHVとOHCの違いはメカに詳しくはない私にはうまく説明できないが、日本でも最初にOHVから始まりその後OHC、そしてDOHCと進歩してゆく。アメ車がOHVをやめてOHC、DOHCに変わっていったのは6リッター、7リッターという大排気量エンジンをやめて、キャデラックセビルのようにヨーロピアンテイストの車に大変身しようとしたあたりが転換点であったのではないだろうか?
私の年代のドライバーはOHVエンジン搭載の車を運転したことがあるという人がほとんどだと思う。では、OHVエンジンとOHCエンジンの違いは運転をしていてわかるものだったかというと全くわからなかった。