第一章・再会の秋
ミッコはバスケ部。少し痩せて美しさをキープしていた。俺と直、平岩は三年のとき同じクラスで、卒業してからもよく遊びに行った間柄だ。
昔話に花が咲いた。遅くにようやく三月の記念試合の計画が始まった。応援の女性たちも集める事になった。また、六回生が多く集まるため、その日の夜、六回生の同窓会も別途開くことになった。
「同窓会が出来るなら、東京からキミも呼ぼうか?」ナオミが言った。
キミ。ナオミと人気を二分した当時のもう一人のマドンナだ。今は東京に住んでいる。俺は卒業してから東京のキミの家に、直とやはり同級の明史と三人で遊びに行ったことがある。それでも十数年前のことだ。懐かしい名前だ。
計画の話は盛り上がり夜中まで続いた。
「そろそろ帰ろうか? 零時を回っている。女の子(?)がこんな時間まで飲んどってはいかんだろ」
いつも飲み会の後は、酒を飲まない俺と直が皆を車で送る役目だ。
その後、毎月第二土曜日に蟹高に集まり練習を行った。練習が終わると毎回「宴」に集まり、同じ昔話をまるで初めて話すかのように、何度も繰り返しながら記念試合の計画を進めた。(……確実に皆、歳をとっていた)
東京から上床先輩、関山先輩、長野から三浦先輩も毎回のように参加してくれていた。
年が明けた。
三月の記念試合の人数もほぼ決まり、四十名ほど集まるようだ。これなら出来るだろう。当時顧問であった先生たちも来てくれるようだ。四回生の先輩たちが中心となり、俺たち六回生の仲間たちが積極的に動き、十五回生の後輩たちが同級生を大勢集めてくれた。六回生の同窓会も人数が集まりそうだ。楽しみだった。