【前回の記事を読む】「明治時代と同じ人口になる…」愕然とする日本の人口減少社会

第一章 失われた三〇年

《一》平成三〇年間─何もしなかった日本

道州制にも手を付けなかった

安倍内閣と言えば、二〇〇六年に第一次安倍内閣で、自民党は「二〇一八年までに四七都道府県を廃止し、約一〇の道州に再編する」と公約していました。

二〇一二年に自民党が政権復帰すると再び『道州制基本法』の早期成立を図り、「その制定五年以内の道州制導入を目指します。

導入までの間に、国、都道府県、市町村の役割分担を整理し、住民に一番身近な基礎自治体(市町村)の機能強化を図ります」(二〇一二年の自民党のマニフェスト)と公約していましたが、安倍長期政権は一向に動くことはありませんでした(政党の公約、マニフェストを全く重視しない日本人の国民性が、日本政治を堕落させてしまいました)。

選挙公約やマニフェストは選挙上の建前、実際にやることは安倍首相の胸の内、憲法改正と一連の「戦後レジームの総決算」政策と森友、加計、桜見、オリンピックで最後が新型コロナのアベノマスクで九年間(菅内閣の一年を含めて)、国会を空費しました(江戸幕藩体制は二五〇年続きましたが、最後は黒船の出現でとどめを刺されました。江戸幕府の官僚たちは黒船が迫っていることに気づきませんでした。現在の幕藩体制の官僚たちは劇症型地球温暖化が迫っていることを全く意に介していません)。