久々の職場
まだ、子供が小学生の頃、三ヶ月ほど保育園の手伝いをする。もともと働いていた職場だから気軽にやってみた。
自分が母になって初めて仕事をする。全く違う視線で子供たちと対面する。なんて、可愛いんだろう、こんなに小さいのにママから離れて……と、もう保育士ではなくて親の気持ちでしか見られなかった。もう、厳しく指導もできず何でもやってあげてしまう。「子供にやらせて下さい」なんて注意されてしまう。「アチャー」って感じだった。もう保育士には戻れないかもと思った。
ある日、一歳半と六ヶ月の兄弟が入園してきた。ママが急に出て行ってしまい止むなく預けることになったそうだ。ちなみに、同級生の孫でした。下の子はまだ赤ちゃん、何も知らずに私の腕に抱かれてスヤスヤ眠っている。切なくて泣けてきた。どうにも気持ちが落ち着かない、可愛くて可哀想で、なにも知らずに眠る様子にママモード全開になってしまった。
(もうムリムリ、できませーん)
連れて帰ってしまいそうでした。もうずいぶんと大人になってしまったけど、おじいちゃんおばあちゃんに育ててもらって立派に成長している。時おり姿を見る、必ず挨拶してくれる、大きくなっているのにタイムスリップしてしまう。小さかった時の姿になってしまう。
保育士の仕事は天職だと思っている。たいして仕事を成し遂げたわけでもないけれど、これがあったから自分の子供は自分の手で育てたいと強く思えたし、思いを遂げることもできた、まあ、パパのおかげなんですけどね。
なんだかんだと、世話を焼きすぎて、良い親からは程遠くなってしまいましたがママ業を堪能させてもらった。楽しかった想像とは違ったことの連続でしたが子育ては人生最大のイベントでした。今も微妙に継続中ですが。