LESSON.3【学校の先生の仕事って何?】
学校の先生は何のプロフェッショナル?
「桃栗三年、柿八年、子どもは九年で成り盛る」とはよく言ったものです。まさに義務教育9年間の役割の大きさを表しているようです。果たすべき使命が大きいが故に、中学校の先生の勤務時間は1日12時間を超えています。月80時間以上の残業をして土日も休まず勤務している先生方もいるので、学校現場の働き方も変えていかないとダメですね。
私は中学校で勤務しているので、中学校の働き方しかわからないのですが、学校の先生の仕事はこんな感じです。
・教室の環境整備をする。
・ホームルームでの連絡事項を打ち合わせする
・今日の授業の流れを確認する。
・子どもたちの健康観察をする。
・空き時間は事務書類に追われる。
・休み時間は子どもたちの傍にいる。
・生徒同士のトラブルは成長につなげる。
・計画的にトイレに行く(行く暇もないのでもはや仕事)。
・放課後は部活指導をやらされる。
・定時を大分過ぎてから次の日の授業の準備をする。
これでも仕事の一部ですが、もはや努力でカバーできる範囲を超えています。増えた分だけいらない仕事を減らせばよいのですが、なぜか減らさずに増える一方です。200mL用のコップに300mL注ごうとする感覚を誰か説明してください。
これは企業も同じで、人材不足に陥ったときでも、単純にその分の業務を減らせばよいわけではないようです。人手が足りなくても今までの業務量をこなさないといけないので、1人1人の負担が増えるのは当たり前です。
飲食店でも扱う食材の値段が高騰したときに、その分だけ商品の価格を上げればよいとはなりません。商品の価格をできるだけ抑えるために、人件費を削ったり、残業したりしてまかなっているのです。皆さんの企業努力には涙が出てきます。教育界も企業努力ならぬ先生努力で成り立っています。
当たり前なのですが、学校の先生は何でも屋ではありません。生徒を家まで迎えに行ったり、送り届けたりする必要はありません。私たちはタクシーですか? そんな意に反する副業なんて許されるのですか? 答えはノーです。
休んだ生徒に電話ばかり掛けている先生もいます。「次の日の授業は○○だよ」と担任からわざわざ連絡する必要ありますか? 10人休んだら10人に電話するのですか? 私たちは伝書バトですか? 空は飛んでみたいですが、答えはノーです。
学校の先生はサービス業ではないので、スリスリごまを擦ったり、ペコペコ媚びを売ったりすることとは無縁であるべきです。まあ、ここを無縁にできないから、先生になりたい人が減っていくのでしょう。先生としてプライドをもってやっていくなら、自分が何を売るか、何を売りにするのかをしっかり決めておかないといけません。
学校の先生は授業のプロフェッショナルです。授業をすることが1番の仕事なのです。何を今さらって思うかもしれませんが、先生の中には授業以外のことばっかり頑張っちゃうお茶目さんもいるので、ここら辺で軽く牽制しておこうと思いまして。
先生は授業のプロフェッショナル。答えはイエス、オフコースです。授業に専念するという一本道が、いつもボクら先生たちを勇気づけてくれます。