第4章 骨粗鬆症の運動
骨の運動どんな運動があるのですか?
健康情報があふれていて、どんな運動をすればよいか迷ってしまいます。また、運動は体操と何がちがうのでしょう。
運動は単に体を動かすこと、体操はある目的をもって運動することです。例えば、健康増進や疾病予防を目的とした運動を健康体操といい、腰痛の治療を目的した運動を腰痛体操といいます。
運動は大雑把に内臓関係のメタボ系と足腰関係のロコモ系に分けられます。さらに、病気に対しては、予防系と治療系に分けることができます。
例えば、健康増進のための歩け歩け運動はメタボ系の予防系で1日8000歩でメタボが予防できるといわれています。肥満解消のための歩け歩け運動は、メタボ系で治療系になります。有酸素運動や筋肉トレーニングは血糖コントロールに効果的で治療系の運動です。
一方、歩け歩け運動は、足腰の悪い方には却って症状を悪化させることがあるため、ロコモ系運動は足腰に負担のかからない運動が勧められています。足腰の弱ってきている方には、転倒予防のためのロコモ体操がおすすめです。肩こり体操や腰痛体操は、ロコモ系で治療系になります。
骨を丈夫にする運動日光浴しながらウォーキングのすすめ
骨を丈夫にする、骨を増やしていくには、どうしたらよいでしょう。
骨の代謝を考えると、骨に荷重刺激が加わるような運動が最適です。骨の長軸方向に対して物理的刺激を加えると、微量の電流が骨に伝わり強さが増すといわれています。また、ビタミンDが不足している日本人にとって、屋外での日光浴も必要です。つまり、屋外で毎日ジャンプしていればよいことになります。ウォーキングでいえば1日7000歩で骨粗鬆症や骨折を予防できるといわれています。
しかし、骨粗鬆症は高齢者に多く、骨が脆いだけでなく、腰が曲がり、膝や足の関節が変形し、筋肉も弱っている方が多いので無理をすることはできません。下手をすると、強い運動をしたために体を痛めてしまうことにもなりかねません。運動はやり過ぎに注意です。
自分の体に合った適度な運動をするようにしましょう。
また、運動は毎日行わなければ意味がありません。継続は力なり。そのため、足腰を鍛える運動メニューは、簡単にできて、何かをしながらついでにできるような運動がよいと思います。