見つかった子ヤギたちは、大あわて、「にげろー にげろー」えんとつの中を かけのぼり、みんな やねの上にあがりました。
子ヤギたちの あとをおって、オオカミさんは えんとつの中を のぼろうとしますが、足がすべって、うまくのぼれません。
オオカミさんは くやしがって、大きな口をあけたまま、まっくらな えんとつの中を 見上げています。
子ヤギたちは、上から 石ころをなげ入れました。
お口をあけていた オオカミさんは、石ころを たくさん のみこんでしまいました。
「いたい、いたい、おなかが いたいよう」
オオカミさんは、おなかをかかえて ころがりまわりました。
そこへ、お母さんヤギが、帰ってきました。やねの上の子ヤギたちが おりてきて、
「オオカミさん、石ころ なげたら 食べちゃった。だから おなかが いたい いたい」
七ばん目が、はしら時計の中から顔を出して、
「こわかったよう。だけど、オオカミさん、いたい いたい かわいそう。お母さん なおして あげて」
オオカミさんは、なきながら あやまります。
「ごめんなさい、ごめんなさい。もう みんなを食べないから、たすけてください、おねがいします」
お母さんヤギは、
「やくそくだよ、オオカミさん。少し いたいけど がまんしてね」
そういうと、オオカミさんのおなかに えいっと頭をぶつけました。オオカミさんは、石ころを みんな はき出しました。
お母さんヤギは、オオカミさんに ヤギのミルクをあげました。オオカミさんのおなかは すっかりなおりました。
それから、オオカミさんは、子ヤギたちと なかよく あそんで、子ヤギたちを まもってくれるようになりました。
お母さんヤギは、おれいに いつも、ヤギのチーズやミルクを、ごちそうしてあげました。
七ばん目の子ヤギも、やさしくなったオオカミさんが こわくなくなりましたとさ。