俳句・短歌 短歌 故郷 2022.06.23 歌集「星あかり」より三首 歌集 星あかり 【第113回】 上條 草雨 50代のある日気がついた。目に映るものはどれも故郷を重ねて見ていたことに。 そう思うと途端に心が軽くなり、何ものにも縛られない自由な歌が生まれてきた。 たとえ暮らす土地が東京から中国・無錫へと移り変わり、刻々と過ぎゆく時間に日々追い立てられたとしても、温かい友人と美しい自然への憧憬の気持ちを自由に歌うことは少しも変わらない。 6年間毎日感謝の念を捧げながら、詠み続けた心のスケッチ集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 雨空も晴れ間と変わり酷暑哉 夏将軍の襲来した日 冬季には冬将軍の大雪で 夏将軍は暑さ更新 車窓より平原の間の旅を行く はらはら過ぎる時を見送り
小説 『毎度、天国飯店です』 【第6回】 竹村 和貢 サークル勧誘チラシの前で、『徒然草』を抱えた美人と出会った…。 天国飯店の定休日は毎週火曜日。アルバイト生四人で、月曜から土曜の間の五営業日を分担する。四人のうち誰か一人が二営業日に入る。その者以外の三人のうちの一人が日曜日に店に入る。日曜日は大学が休みなので、朝の十時から閉店の午後九時まで十一時間店に入ることになる。「ほな、俺、明日もバイトやさかい、おっちゃんに自分のこと話してみるわ。多分、おっちゃんも構へん言わはる思うねんけど」夏生は、「できない」とは思…
小説 『普通の男、浩狙われる!』 【第5回】 上山 照 男が狙う鍵付きブリーフケース…中を開けると百ドル札がびっしり入った封筒が!? チェーンで繋ぐくらいだから、確かにそれくらいは当然している筈だ! そう思うと、間違いなく当たっている気がして、やはりこのブリーフケースを開ける事が重要に思えてきた。早速、ツインロックの回転ダイヤルの一つを固定して始めることにして、今のツインロックが5と8を示していることからその前後の可能性が高いのでは、と考え、5の番号ダイヤルを3に固定してもう一方の回転ダイヤルを1から順番に回して上手く解錠する…