【前回の記事を読む】リスボンで高級リゾート地巡り。南国の太陽を浴びる海岸へ
1998年11月14・15日(土・日)リスボン紀行
-南国の太陽を浴びて久し振りに暖かい週末-
日曜日はホテルのすぐ近く市内最高地点のエドゥアルド7世公園から海に向かってリスボン一の目抜通りリベルダーデ大通りを下り海岸近くに立つもう1つの丘に聳えるサン・ジョルジェ城に登りました。
1147年までイスラム教徒のムーア人の砦だったところで、ここからリスボン市内の景色は赤い屋根タイルの色とテージョ川の入り江に浮かぶ船がよく眺められます。サン・ジョルジェ城周辺のアルファマ地区はイスラム時代の名残といわれる曲りくねった路地を挟んで中世以来の建物が軒を連ね洗濯物が窓から釣り下がっています。
そのあとは初乗料金が約250円と安いタクシーと徒歩で、土曜日には時間がなくゆっくり回れなかった教会・博物館を見学しました。大航海時代の遺産はリスボン西郊のベレン地区に多く、港へ出入りする船を見張ったベレン塔、発見のモニュメント、海洋博物館があります。今年は1498年ヴァスコ・ダ・ガマのインド航路発見のちょうど500年に当り、9月末まで海をテーマにしてリスボンで万国博が開催されていたそうですが事前調査不足で見逃してしまいました。
ポルトガル王家の宮殿アジュダ宮を見学しましたが建築年代は19世紀初頭と新しく、またヨーロッパの他の宮殿と比較しても質素です。それより印象に残ったのは教会建築で、ジェロニモス修道院(中にはヴァスコ・ダ・ガマとカモンイスの墓があります)とアルファマ地区にある白い大理石造りのサン・ヴィセンテ・デ・フォーラ教会とパンテオン、バロック様式のマドレ・デ・デウス教会です。
特にサン・ヴィセンテ・デ・フォーラ教会の白い尖塔からの眺めは抜群です。またどの教会も青色の装飾タイルで壁面が飾られており、土曜日にロカ岬に行く途中のシントラで観光した夏の離宮の壁面も青の装飾タイルで、また市内の建物にも装飾タイルが目立ちイスラム時代からの影響かと思います。
リスボンの町は改修が行き届いていない建物が目につきますが、少しずつ手を入れつつあるところで将来きっときれいな町になると思います。EUの中では最も貧しい国の1つですが、治安はいいようでイタリアと違い道を歩いていてもすりに気をつけるような必要もなく、人々も服装は粗末ながら純朴な印象を受けました。