町から海までは一里ほどある。地曳網の漁獲が多かった日は、浜部落の女たちがアジやいわし、アサリやながらみ、時にはホウボウなどの魚介類を荷車に載せ、町まで行商にやって来た。女たちは目星をつけた、買ってくれそうな家に出向いて声をかけた。「見てくれや。いろいろあっど(あるよ)」家から出てきた女も、木箱の中の品を見定め、晩のおかずを工面する。「あじょうだや(どんなようすだ)。これはちっちゃけい(小さい)ね…
高度経済成長期の記事一覧
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