啓一が入社した時期は日本経済の黄金期だった。景気の好況感と国民の満足度が一致しており、一億総中流という言葉がはやったほどだ。それは世界史的にも例のない特異な時代である。その後日本は、失われた二〇年と呼ばれる経済の低迷期が続く。景気は一時的に持ち直した時期もあるが、国民が豊かさを実感することはなかった。そしてこの間、国民の経済格差は急速に進行し、今では中流という言葉は死語に近い。啓一の給料は入社時…
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小説『【文庫改訂版】女帝看護教員』【第15回】上野 武久
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「過去問が四千円」と聞いた看護学校の女帝が決めた“あること”
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