【イチオシ記事】九の歳に重い疫病を患って両目を失明。息子の行く末を思いわずらっていたら、藩内でも有数の篠笛の吹き手に吹き続けるうち、やがて宗佐はどこかから近付いてくる人の足音に気付きました。笛の手を止め、耳を澄ますと、墓場から塔頭に通じる小砂利を敷いた細道を、誰かが小股に踏み締めてくるようです。やがて宗佐は、その足音の主が縁側に面した、わずかにツツジが植わったばかりの狭い庭に立ち止まったことを感…
小説
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『指切り宗佐 愛恋譚 』【第2回】星河 三郎
「私共の姫君が、あなた様の笛の音を聴きたいと…私が案内いたしますゆえ」そう言って添えられた手は、驚くほど冷たくて細く…
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『ネムとジド』【第9回】喜田 美樹
「どこに、つののない鬼がいる。おまえは赤鬼の赤べえじゃない。人間だ。」仲間にそう言われ、びっくりして頭に手をやると…
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『猫の雨傘と僕のいる場所』【第9回】倉澤 兎
父が過ごした部屋の片づけが進まない母「整理しようとすると、ついアルバムを開いちゃって。お父さんの写真を見ると…」
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『ツワブキの咲く場所』【第17回】雨宮 福一
ペットのハムスターを庭に生き埋めにした。手のひらに、脈打つ小さな心臓。皆が私の方を見た。私を、見てくれたのだと思った。
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『迷いながら揺れ動く女のこころ[人気連載ピックアップ]』【第14回】松村 勝正
「あなたこそ最近色気が出てきたみたいよ」と意地悪した。「若返ったみたい。ご主人もびっくりなさいますよ」と言われたから…
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『スクリーン』【第6回】山田 健太郎
明日、突き落としたと話そう。そう思うと、留置所に入って初めて肩の力が抜けた。――無罪の男子高校生が自白を決意し…
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『揺れ動く女の「打算の行方」[人気連載ピックアップ]』【第3回】松村 勝正
母は三十五歳までには結婚してもらいたいらしい。今私たち三十三でしょう、後二年しかないよね、憂鬱だね…
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『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第15回】三上 ミカン
「彼氏欲しくない?」「うん! 私も彼氏作りたい」大学入学で憧れの東京、そしてモデルのように綺麗な女の子と渋谷のクラブへ
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『真夜中の精霊たち』【第6回】新見 上
彼女の瞳の色を、彼は生涯、忘れられなかった。彼女にキスをしたいという堪え切れない衝動が同時にこみ上げてきて......
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『箱船へいらっしゃい』【第6回】葛西 雄一郎
赤い光がチラ、と目についた。あれはひょっとして…一攫千金を求めてスズキ青年がとった行動とは
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『海の梵鐘』【第6回】波方 遥
「あなたってそういう人だったのね」好きだった担任の先生からの一言は、千津の心に深く刺さった…
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『迷いながら揺れ動く女のこころ[人気連載ピックアップ]』【第13回】松村 勝正
終わった後、お隣にいたご婦人が声をかけてくれた。年齢も話も合いそうだが、一つだけひっかかった言葉があって…
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『ツワブキの咲く場所』【第16回】雨宮 福一
まだ幼い妹を憎み、重ね合わせた…見殺しにした女の子と。丸裸に剥かれ、ぷらぷら揺れる小さな足に、黄色の靴下。
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『ベースボールよ、新たな夢へ!』【第6回】村上 正
親に言われて仕方なく勉強していた僕。中学校の野球部と近所の女の子への思いを胸に、受験勉強に励み始める――
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『揺れ動く女の「打算の行方」[人気連載ピックアップ]』【第2回】松村 勝正
彼の母親の「私は認めませんよ」と言う言葉。マザコンだった元カレから言われた言葉に自尊心を砕かれ、今でもトラウマになっていた
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『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第14回】三上 ミカン
「受験が無事に終わるまでは見届けたくて……ごめんな」別れ話をした後、私たちは何時間も抱きしめ合って二人して泣いていた
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『保健師魂は眠らない[注目連載ピックアップ]』【最終回】真秀場 弥生
私の初仕事は新興宗教の信者の集まりに対しての健康教育。保健師は、「お祈りの前座の余興」のために呼ばれたようなものだった。
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『迷いながら揺れ動く女のこころ[人気連載ピックアップ]』【第12回】松村 勝正
明日から始まるフィットネス通い…この季節なら長袖か、いや室内で運動するから半袖? 遠足に行くみたいにそわそわしながら…
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『ツワブキの咲く場所』【第15回】雨宮 福一
「韓国へ行くの。聖地巡礼をしましょうね」激情が込み上げそれを拒否した。母に飛び掛かり、体を叩き続けた。
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『揺れ動く女の「打算の行方」[人気連載ピックアップ]』【新連載】松村 勝正
自由が丘駅の正面口改札を出た小さなロータリーにいた。半年ぶりの再会に心躍り、約束の時間よりかなり早く着いてしまったみたい…