翌日、原田は田端が通う大学付近の駅前にいた。駅前の椅子のオブジェに座ってパンをかじりながら大学方向へ歩く人に目をやる。多くの人が行き交う駅前で、ペットボトルのジュースから水分を補給し息をついた。(人間が多すぎるぜ。この中から田端を捜すのって、無謀だよな……)夏休みを前にした暑い日中、原田は木陰の椅子で額の汗をぬぐった。(ずっとここにいたら熱中症になりそうだ……もう一度、藤川に連絡して今村のスマホ…
[連載]奇譚空間
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小説『奇譚空間』【第7回】八豆 うらり
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小説『奇譚空間』【第5回】八豆 うらり
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小説『奇譚空間』【第4回】八豆 うらり
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小説『奇譚空間』【第3回】八豆 うらり
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小説『奇譚空間』【第2回】八豆 うらり
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小説『奇譚空間』【新連載】八豆 うらり
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