店内にはラジオが掛かっていた。FM放送のようだ。ラジオを日常的に聴く習慣がない智洋だが、おしゃべりメインのAMの番組ではないと推理した。雰囲気もいい。外のクルマの騒音も、ほとんど気にならない。適度の空間。広くもなく、狭くもなく。まあ、全席埋まったら、それなりには。でも、大げさにいえば、幸せを感じる。そんな空間ね。その、智洋の幸せ感が陰った。ん? なんだ、このにおい。これは、珈琲豆のにおいではない…
[連載]再会。またふたたびの……
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小説『再会。またふたたびの……』【第8回】恵 美啓
1971年の渋谷「東大の入試が中止された…」ニュースの真相
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小説『再会。またふたたびの……』【第7回】恵 美啓
「で、いま、何時」懸命に不得意な暗算。まさかここは、三十年前...!?
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小説『再会。またふたたびの……』【第6回】恵 美啓
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小説『再会。またふたたびの……』【第5回】恵 美啓
突然の眩暈に襲われた女性が抱いた違和感の正体「車もマンションもない!」
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小説『再会。またふたたびの……』【第4回】恵 美啓
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小説『再会。またふたたびの……』【第3回】恵 美啓
「昔のカノジョさん?」妻の質問に夫の予想外の反応とは…
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小説『再会。またふたたびの……』【第2回】恵 美啓
「相変わらず、親切な女性だ」愛する夫が懇意にする“マダム”とは?
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小説『再会。またふたたびの……』【新連載】恵 美啓
父娘ほどの年齢差夫婦…ケンカしてないのに「無言」で焦る理由