疑惑吾郷は疑惑を整理して、自分には何ができるか考えた。山北開発事業においての疑惑は、一、佐分利市長と黒岩産業の結託、つまり贈収賄二、市有地払い下げ及び開発事業委託での談合三、市長選におけるグレーで巧妙な事前運動四、すべてを実行するための裏金作り、つまり不正会計証拠を見つけるのに、自分の立場で最も手の届きそうなのは談合だ。開発事業関連資料を精査すれば何かが見つかるかもしれない。だが、上司の目がある…
[連載]濡羽色の朝
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小説『濡羽色の朝』【最終回】夏目 ゆきお
小学校に現れたモンスターマザー「子供を守るのは学校の責任でしょー。」
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小説『濡羽色の朝』【第11回】夏目 ゆきお
「疑念」が「疑惑」に…多額の資金が動いた事案、どう対処する?
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小説『濡羽色の朝』【第10回】夏目 ゆきお
結託、黙認、談合…二次会のあとのサシ、見えてきた「疑念」
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小説『濡羽色の朝』【第9回】夏目 ゆきお
同窓会で再開したかつての恩師「二十年近く経つのに相変わらずきれいだ」
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小説『濡羽色の朝』【第8回】夏目 ゆきお
【小説】楽しいはずの同窓会だが…黒い噂を追う地元新聞記者の「直観」
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小説『濡羽色の朝』【第7回】夏目 ゆきお
【小説】市長を取り巻く黒い噂「ここから先は本当に極秘だから…」
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小説『濡羽色の朝』【第6回】夏目 ゆきお
「山北の件には首を突っ込むな」…開発計画の裏で何が起こっていたのか?
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小説『濡羽色の朝』【第5回】夏目 ゆきお
「この案件は首を突っ込まない方がいい」上司からの忠告のワケ
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小説『濡羽色の朝』【第4回】夏目 ゆきお
「カラスを嫌いにならないでね。本当はとっても賢くて可愛いやつだから」
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小説『濡羽色の朝』【第3回】夏目 ゆきお
【小説】動物行動学×AI技術『アニマ』と命名された機械の能力は…
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小説『濡羽色の朝』【第2回】夏目 ゆきお
地元の旧友との酒盛り。仲間がこぼした「気になる言葉」とは
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小説『濡羽色の朝』【新連載】夏目 ゆきお
【小説】大手銀行員が退職し「市役所勤務」を選んだ理由とは?